きょうのコラム『時鐘』

2018/07/18 00:39

 炎天(えんてん)や猛暑(もうしょ)どころではない。熱中症(ねっちゅうしょう)で倒(たお)れる人(ひと)が相次(あいつ)ぎ、犠牲(ぎせい)者(しゃ)も報(ほう)じられる。集中(しゅうちゅう)豪(ごう)雨(う)に続(つづ)く「熱波災害(ねっぱさいがい)」襲来(しゅうらい)である

冷(ひ)えたビールを流(なが)し込(こ)んで疲(つか)れを癒(い)やす。そんな思(おも)いで、連載漫画(れんさいまんが)のヒラリ君(くん)は会社帰(かいしゃがえ)りに大(だい)ジョッキを買(か)ってきた。が、家(いえ)には小(ちい)さな缶(かん)が1個(こ)だけ。主人公(しゅじんこう)の落(らく)胆(たん)に同情(どうじょう)したいが、いまは腹(はら)の虫(むし)の居所(いどころ)が悪(わる)い。文句(もんく)を言(い)うな。被(ひ)災地(さいち)の労苦(ろうく)を思って我(が)慢(まん)せい、と叱(しか)りたくなる

小(こ)まめに水分(すいぶん)を取(と)り、小まめに気象(きしょう)情報(じょうほう)に注意(ちゅうい)する。が、水を飲(の)んでも、爽(さわ)やかさはいっとき。気象予報(よほう)士(し)は、1週間程度(しゅうかんていど)は暑(あつ)さが続く、と無情(むじょう)な見(み)通(とお)しを繰(く)り返(かえ)す。イライラばかりが募(つの)る

歳(さい)時(じ)記(き)を開(ひら)くと、ロクでもない句に出合(であ)う。「炎天に照(て)り殺(ころ)されん天(あた)窓(ま)かな一茶(いっさ)」。その通(とお)りだが、そんな句を詠(よ)んで何(なん)の得(とく)になる、と腹が立(た)つ。あちこちに八(や)つ当(あ)たりをして、やっと気付(きづ)いた。猛暑続きで、心(こころ)の方(ほう)もくたびれて病(や)み衰(おとろ)えてしまったか

ありったけの痩(や)せ我慢をかき集(あつ)め、ここは乗(の)り切(き)るしかあるまい。作(つく)り笑(わら)いとカラ元気(げんき)で、「きょうもクソ暑いね」とあいさつを交(か)わす。とんでもない夏(なつ)になった。